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日米のスケジュールの作り方の違い

昨日、面白いことがありました。Microsoft Project というプロジェクト・マネージメント(スケジュールをマネージする)のツールが昔からあるんだけど、日本人とアメリカ人とで、視点がまったく違っていることがわかったんです。

日本人が、スケジュールを書くと、「これやって、それから、あれやって。」とやること(タスク)を書いていく。それに対して、アメリカのプロジェクト・マネージャーが不満を言う。「成果物がいつできるのかわからない。」

わかりますか?この違い。

アメリカ人の場合、「これを作って、あれを作って」という、成果物に主眼を置いてプロジェクトを組み立てるんです。「この設計書を作って、それからこのドキュメントを作って、…」という作り物が頭に、先にあるんです。お客様との契約でも、「納品物は、これとこれです。」と言う言い方をします。つまり、ゴールは、納品物を作っていくことなんです。

日本人は、プロセス(How)を重視して、スケジュールを決めますが、アメリカ人は、ゴール(What)を重視してスケジュールを作ります。

こういう視点の差が、実は、仕事の仕方の根本を変えています。

どちらが悪いのかいいのかと言うよりも、この考え方の差で、計画の作り方がまったく違ってくるし、日本人とアメリカ人の間で、大きな意見の食い違いが発生する。

何故かと言うと、お互いに自分たちのやり方が正しいやりかただと信じているからです。

ずーっと平行線をたどります。

なので、昨日は、4時間かけて、この話を調整し、お互いに欲しいものは何なのか?それをどう表現すればいいのかを、日本のソフトウェア・エンジニアとアメリカのプロジェクト・マネージャーを入れて、すり合わせました。この違いをはたから見てわかっている第三者が調整しないと、平行線が、平行線のままになって時間だけが過ぎ去っていくんです。

面白すぎます。

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